2021年 第 48 週 ~風しん~

2021年12月10日

今週の注目疾患
2021年 48週(2021/11/29~2021/12/5)
【今週の注目疾患】

≪風しん≫
 2021 年第 48 週に県内医療機関から風しんの報告が 1 例あった。
患者は 60 代女性、予防接種歴は不明で血清からの IgM 抗体検出により確認された。
海外渡航歴は確認されておらず、推定される感染経路は現時点で不明である。
2021 年第 4 週以来の報告であり、累計は 2 例となった。
 県内における過去 10 年間(2012 年第 1 週~2021 年第 48 週)の発生状況では累計 1466 例が報告されており、2012 年、2013 年、2018年、2019 年の報告数が多く、年間 100 例以上の症例が報告されていた。
性別では男性 1170 例(80%)、女性 296 例(20%)で男性が多い。
年代別では性差がみられ、男性では20代~50代が多く、特に40代379例(32%)、30代312例(27%)、20 代 220 例(19%)の年代で多く見られた。
女性では 20 代が最も多く 118 例(40%)であった。
また、先天性風しん症候群(CRS)は過去 10 年間において、2013 年に 1 例、2014 年に 1 例の計 2 例報告されている。

 新型コロナウイルス感染症が流行した 2020 年以降、県内含め全国的に風しんの発生は減少しており、国の報告によると、2021 年に日本国内で確認された風しんの報告数はわずか 11 例にとどまる(2021 年 12 月 1 日時点)1)。

 風しんは風しんウイルスによって引き起こされる急性の発しん性感染症で、風しんへの免疫がない集団においては、1 人の風しん患者が 5~7 人に感染させる感染力を有する。
感染経路は飛沫感染であり、感染後 14~21 日の潜伏期間を経て、発熱、発しん、リンパ節腫脹等の症状が出現する。
また、不顕性感染が 15~30%程度存在する2)。

 風しんは基本的には予後良好な疾患であるが、風しんに伴う最大の問題は、抗体の少ない妊娠20 週までの女性が感染することにより、感染が胎児におよび、先天異常を含む様々な症状を呈する先天性風しん症候群が出現することにある。
先天異常としては、先天性心疾患、難聴、白内障などが挙げられる2)。

 国では、平成 26 年 3 月に風しんに関する特定感染症予防指針を策定し、早期に先天性風しん症候群の発生をなくすとともに、平成 32 年度(2020 年)までに風しんの排除を達成することを目標に掲げていた3)。
排除の定義は WHO の定義に準じて「適切なサーベイランス制度の下、土着株による感染が 1 年以上確認されないこと」とされている。
新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、同目標の達成は困難なものとなったが、引き続き、風しん症例探知時には直ちに届出を行うこと、発生後には積極的疫学調査を実施し、感染源・感染経路を調査し感染予防のための対策を講じること、地方衛生研究所等において可能な限りウイルス遺伝子検査を実施し、全例で既国内感染例のウイルス株との遺伝子型一致がないこと(土着株でないこと)を確認することが重要である。

 感染予防の基本はワクチンであり、男女ともにワクチンを接種し、風しんの流行を抑制することが重要となる2)。
 特に、昭和 37 年 4 月 2 日から昭和 54 年 4 月 1 日までの間に生まれた男性(現在、42~59 歳の男性)はこれまで風しんワクチンを接種する機会がなく、注意が必要である。
 風しんの追加的対策として、これらの人を対象に市町村が実施する予防接種に「風しん第 5 期予防接種」が追加されている。
対象者には居住する市町村から抗体検査と予防接種が無料で受けられるクーポン券が送付されている。
対象者はまず抗体検査を受け、抗体検査の結果、十分な抗体がない人は、各医療機関で予防接種を受ける4)。
2019 年度から 2021 年度までの 3 年間限定の制度であることから、対象者はクーポン券の有効期限を確認し、積極的に利用することが望ましい。

※You Tube 国立感染症研究所チャンネル【公式】:動画「これであなたも風しん博士!」
>>詳細はこちら

■参考
1)国立感染症研究所:風しんに関する疫学情報(2021 年 12 月 1 日現在)
>>詳細はこちら
2)国立感染症研究所:風疹とは
>>詳細はこちら
3)厚生労働省:風しんに関する特定感染症予防指針
>>詳細はこちら
4)千葉県:風しん予防接種(第 5 期定期接種)について
>>詳細はこちら


【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和3(2021)年12月8日更新)

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