2022年 第 13 週 ~梅毒~

2022年04月08日

  2022年 第 13 週(2022/3/28~2022/4/3)

【今週の注目疾患】
≪梅毒≫
 2022 年第 13 週に県内の医療機関より梅毒の報告が 7 例あり、2022 年の累積届出数は 67 例となった。
1999 年の現行感染症サーベイランス開始以降最多を記録した昨年の同時期を上回る届出数(2021 年第 13 週累積届出数 56 例)であり、本年も増加傾向が続いている。

 性別では男性 47 例(70%)、女性 20 例(30%)であった。年齢別では、男性は 40 代 16 例(34%)、50 代 15 例(32%)が多く、次いで 30 代 9 例(19%)であった。
女性では 20 代が 14 例(70%)で最も多く報告されていた。
 病型別では、男性は早期顕症梅毒第Ⅰ期(以下、第Ⅰ期)が 31 例(66%)と最も多かったが、女性では早期顕症梅毒第Ⅱ期(以下、第Ⅱ期)が 8 例(40%)、無症状病原体保有者が 7 例(35%)と多く報告されていた。
 なお、2022 年においては、これまでのところ梅毒の妊娠症例や先天梅毒の症例は報告されていない。

 梅毒の病原体は螺旋状菌の梅毒トレポネーマである。
本菌は低酸素状態でしか長く生存できないため、主な感染経路は菌を排出している感染者(主に感染力の強い第Ⅰ期、第Ⅱ期の患者)との粘膜の接触を伴う性行為や疑似性行為(性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触など)によるものである1)、2)。

 早期の薬物治療で完治が可能だが、検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがある。
時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認せず途中で治療をやめないことが重要である。
また、感染した人の血液中には一定の抗体があるが、再感染を予防できるわけではないので、注意が必要である2)。

 感染後 3~6 週間の潜伏期間を経て、継時的に様々な臨床症状が逐次出現する。
【第Ⅰ期】
 感染約 3 週間後に梅毒トレポネーマの感染部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)に、しこりが形成されることがある。
無痛性の所属リンパ節腫脹を伴うこともある。
無治療でも数週間で軽快する。
感染した可能性がある場合には、この時期に梅毒の検査が勧められる。
【第Ⅱ期】
 第Ⅰ期の症状消失後、4~10 週間の潜伏期間を経て、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹がでることがある。
小さなバラの花に似ていることからバラ疹とよばれる。
そのほか、脱毛、発熱・倦怠感の全身症状等多彩な症状を呈する。
無治療でも数週間で軽快するが、この時期に適切な治療を受けられなかった場合、数年後に複数の臓器に障害がおこることがある。
【潜伏梅毒(無症状病原体保有者)】
 梅毒血清反応陽性で顕性症状が認められないものをさし、第Ⅰ期と第Ⅱ期の間、第Ⅱ期の症状消失後の状態を主にいう。
第Ⅱ期の症状が消失後、再度第Ⅱ期の症状を示すことがあり、これは感染成立後 1 年以内に起こることから、早期潜伏梅毒と呼ぶ。
これに対して、感染成立後 1 年以上たつ血清梅毒反応陽性で無症状の状態を後期潜伏梅毒と呼ぶ。
【晩期顕症梅毒】
 無治療で経過した者のうち、約 3 分の 1 で起こる。ゴム腫、進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺に代表される神経梅毒に進展する。
 場合によっては死に至る。
【先天梅毒】
 梅毒に罹患している母体から胎盤を通じて胎児に伝播される多臓器感染症であり、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがある1)、2)。

 予防方法は、感染者との性行為や疑似性行為を避けることが基本である。
コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームの使用は完全ではないものの予防効果があることが示唆されている1)、2)。

 治療は早期に薬物治療を開始することが重要となる。
異変を感じた場合や心配なことがある場合には早めに検査を受け、早期発見・早期治療に繋げることが重要である。
また、再感染をする可能性もあるため、パートナーもともに健診をうけることが推奨される3)。
 県では保健所において無料・匿名の検査を実施しているとともに、ちば県民保健予防財団への委託による検査を毎月実施している。
受検を希望する方は活用されたい。
なお、最新の検査実施状況については、県ホームページ等でご確認いただきたい4)。

■参考
1)国立感染症研究所:梅毒とは
>>詳細はこちら
2)厚生労働省:梅毒に関する Q&A
>>詳細はこちら
3)千葉県:梅毒が増えています
>>詳細はこちら
4)千葉県:エイズ・性感染症関連情報
>>詳細はこちら

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和4(2022)年4月6日更新)

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