習志野市予防接種情報提供サービス

2024年 第1週
~つつが虫病、レジオネラ症、
新型コロナウイルス感染症
(COVID-19)~

2024年01月12日

2024年 第1週
(令和6年1月1日~令和6年1月7日)

【今週の注目疾患】
■つつが虫病
 2023 年第 52 週に県内医療機関からつつが虫病の届出が 3 例あり、2023 年の累計届出数は 71例となった。
性別では男性 41 例(58%)、女性 30 例(42%)で男性が多い。
年齢群別では 70 代が 25 例(35%)で最も多く、次いで 60 代が 18 例(25%)、80 代が 16 例(23%)であり、60 代以上で 2023 年の届出全体の 8 割を占めていた。
 つつが虫病の届出数は近年増加傾向にあり、県南部からの届出が多い。
また、例年 11 月頃から届出数が増加する傾向にある。

 つつが虫病は、病原体 Orientia tsutsugamushi を保有するツツガムシ(ダニ類の一種)がヒトを刺咬・吸着して感染する。
つつが虫病の潜伏期間は 5~14 日で、典型的な症例では高熱を伴って発症し、皮膚には特徴的なツツガムシの刺し口(黒色痂疲)がみられ、その後数日で体幹部を中心に発疹がみられるようになる。
また、患者の多くは倦怠感、頭痛を訴え、患者の半数には刺し口近傍の所属リンパ節、あるいは全身のリンパ節の腫脹がみられる。
つつが虫病は有効な抗菌薬(第一選択薬はテトラサイクリン系)があるが、死亡例も報告されているため、適切な診断・治療が重要である 1)。
 つつが虫病を予防するワクチンはないため、ダニの刺咬を防ぐことが極めて重要となる。
農作業や山林作業、レジャーなどで山林や草むらなどに立ち入る場合には、(1)長袖長ズボンなど肌の露出が少ない服装にする、(2)忌避剤(防虫スプレー)を使用する、(3)地面に直接座らずに敷物を使用する、(4)帰宅をしたらすぐに着替え、洗濯する、(5)帰宅後はすぐに入浴し、体にダニが付いていないか確認する、などの対策をとる。
また、刺咬された場合には、無理に引き抜くとダニの一部が皮膚に残ってしまうことがあるので、医療機関を受診して除去してもらうことが推奨される 2-4)。
■参考・引用
1) IDWR 注目すべき感染症 ダニ媒介感染症 つつが虫病・日本紅斑熱
>>詳細はこちら
2) 千葉県衛生研究所:つつが虫病に注意!
>>詳細はこちら
3) 千葉県衛生研究所:マダニ被害に遭わないために!
>>詳細はこちら
4) 千葉県健康福祉部疾病対策課:ダニ媒介感染症について
>>詳細はこちら

■レジオネラ症
 2023 年第 52 週に県内医療機関から 1 例のレジオネラ症が届出され、2023 年の累計届出数は95 例となった。
95 例のうち、病型別では肺炎型が 89 例(94%)、ポンティアック熱型が 5 例(5%)、無症状病原体保有者が 1 例(1%)であった。
性別では男性が 72 例(76%)、女性が 23 例(24%)と男性が約 8 割であった。
年代別では、60 代が 24 例(29%)と最も多く、次いで 70 代と 80 代がそれぞれ 20 例(23%)であり、60 歳以上が約 8 割(72 例)を占めた。
レジオネラ症は夏から秋にかけて届出が多くなる傾向があるが、1 年を通して発生がみられるので、引き続き発生動向を注視していく必要がある。

 レジオネラ症は、レジオネラ属菌による細菌感染症であり、主な病型として重症の肺炎を引き起こすレジオネラ肺炎と、一過性で自然に改善するポンティアック熱がある。
レジオネラ属菌は、土壌や水環境に広く存在する菌である。
感染経路としては、エアロゾルを発生させる人工環境(噴水等の水景施設、空調設備の冷却塔、気泡発生入浴設備、加湿器等)や循環水を利用した風呂を感染源とするエアロゾル感染、温泉浴槽内や河川で溺れた際に汚染された水を吸引・誤嚥したことによる感染、汚染された土壌の粉塵を吸い込んだことによる塵埃感染などがある 1)2)。
 対策としては、超音波振動などの加湿器を使用する時には、毎日水を入れ替えて容器を洗浄することが重要である。
追い炊き機能付きの風呂や 24 時間風呂などの循環式浴槽を備え付けている場合には、浴槽内に汚れやぬめり(バイオフィルム)が生じないよう定期的に清掃を行うなど、取扱説明書に従って維持管理をする 2)。
エアロゾルが発生する高圧洗浄作業や、粉塵が発生する作業、腐葉土を取り扱う園芸作業をする場合には防塵マスクを着用して感染を予防する 1)。
■引用・参考
1)国立感染症研究所:レジオネラ症とは
>>詳細はこちら
2)厚生労働省:レジオネラ症
>>詳細はこちら

【新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生状況】
 2024 年第 1 週の県全体の定点当たり報告数は、前週の 5.43 人*から増加し、7.49 人であった。
 地域別では、香取(15.00)、長生(13.14)、君津(11.08)保健所管内で患者報告数が多かった。
*前週報告時点では 5.48 人

【千葉県感染症情報センターより参照】
(令和6(2024)年1月10日更新)

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