2015年07月10日
手足口病について
毎年夏に流行する子どもの感染症である手足口病、ヘルパンギーナ及び咽頭結膜熱(プール熱)については、今年の夏も、患者報告数が高い水準となっています。特に手足口病については、先週1週間における東京都内の患者報告数は警報基準を超え、大きな流行となっています。
手足口病の患者の約94%は6歳以下の小児(うち半数以上が2歳以下)となっています。
家庭での手洗いの習慣づけなど感染予防にご協力をお願いします。
【手足口病とは】
エンテロウイルス属のウイルスを原因とする感染症で、3~5日の潜伏期間の後、口の中・手のひら・足の裏などに2〜3mmの水疱性の発しんが出ます。重症化はまれですが、合併症として急性脳炎や心筋炎があげられます。その他に、発熱(38度以下)や食欲不振、のどの痛みなどが見られます。発しんは3~7日で消失します。
【治療について】
ワクチンや特効薬はありません。発熱、頭痛、口の中の痛みなどそれぞれの症状に対する対症療法が中心です。また、口の中に水疱ができるため、食事がとりやすいように、柔らかく、刺激の少ない食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
【感染経路と予防について】
主な感染経路は、手足口病にかかった人の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスを吸い込むことによる飛まつ感染と、水疱や便に排出されたウイルスが手などを介して口や眼などの粘膜に入ることによる経口・接触感染です。
外から帰った後、食事の前、トイレの後などに手洗いを行うことが最も大切です。症状がおさまった後も2〜4週間は便にウイルスが排泄されるため、手洗いを徹底し、集団生活ではタオルを共用することは避けましょう。