2014年10月01日

○結核は昔の病気ではありません
結核は2012年(平成24年)には全国で約21,300人、都内で約2,900人、中央区内でも32人が新たに報告されています。
結核は誰でもかかる可能性があり、治療により治る病気です。

【結核とは】
結核は、結核菌に感染することによって起こる疾患です。
典型的な発病の形としては、感染後、半年から2年の間(小児ではやや短い)に、咳・痰・微熱などの症状が現れ、時に血痰、食欲低下、体重減少などがみられるようになります。症状がすすむと、呼吸困難に陥ることがあります。また、肺以外にも病巣を作ることがあります。
「感染」と「発病」の違い
◎感染とは
結核菌が肺胞に定着した状態をいいます。体に悪い影響を与えていない状態で感染性もありません。発病するのは1割から2割程度で、感染してから6カ月から2年後までの発病が多く、免疫力や体力が低下したときに発病することもあります。
◎発病とは
結核菌が体内で増えて病気を引き起こした状態をいいます。初期は咳や痰の中に結核菌が出ませんが、進行に伴い咳や痰の中に結核菌が排菌され、排菌量が増えると他の人にも感染させるようになります。

【治療について】
治療の中心は抗結核薬を6カ月以上服薬することです。排菌の有無に関わらず、症状が消えた後も長期間の服薬が必要です。

【感染経路と予防について】
結核菌を病原体とする感染症です。排菌している人の咳やくしゃみ、つばなどのしぶきに含まれる菌を吸いこむこと【飛まつ感染】や、しぶきの水分が蒸発し、空気中に漂う菌を吸い込むこと【空気感染】によっても感染します。
予防のポイントは、予防接種、咳エチケット、定期健診の3つです。
◎予防接種を受けましょう
乳幼児が感染した場合の重症化予防を目的にBCGの予防接種を行います。標準的な接種は生後5カ月から8カ月の間に行うこととされています。
◎咳エチケットを心がけましょう
咳やくしゃみをする時はティッシュやマスクを口と鼻にあて、他の人に直接飛まつがかからないようにしましょう
◎定期健診を受けましょう
成人の方は、結核に限らず様々な疾患の早期発見のために胸部エックス線検査を1年に1回程度受けておくことが大切です。