2014年07月11日
ヘルパンギーナは、毎年6~8月に流行する「夏かぜ」の代表的な疾患です。
患者さんの約9割が6歳以下で、その半数が2歳以下のお子さんといわれています。
【ヘルパンギーナとは】
エンテロウイルス・コクサッキーウイルスが主な原因の感染症で、2?7日の潜伏期間の後、突然38度以上の発熱、続けて口腔内に水疱が出現し、水疱が破れて痛みを伴います。その後2?4日で解熱し、7日程度で治癒します。高熱による倦怠感や口腔内の痛みなどから、食事や水分を十分にとれず、脱水になることもあります。
合併症としては、熱に伴う熱性けいれんと、まれに髄膜炎や心筋炎が生じることがあります。頭痛やおう吐、発熱が続く場合は主治医に相談しましょう。
【治療について】
対症療法のみで、発熱などつらい症状を緩和する治療が中心です。口の中に水疱ができるため、食事がとりやすいよう、柔らかく、薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
【感染経路と予防について】
主な感染経路は、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによる【飛まつ感染】と、水疱や便に排出されたウイルスが手などを介し、口や眼などの粘膜に入ってしまう【経口・接触感染】です。
外から帰った後、食事の前、トイレの後などに手洗いを行うことが最も大切です。治った後も3?4週間は便にウイルスが排泄されるため、集団生活ではタオルを共用することは避けましょう。お子さんの年齢に応じて、咳エチケットについて伝えることも大切です。