2014年07月04日

 咽頭結膜熱は、プールでの感染があることから「プール熱」とも呼ばれます。
 流行のピークは毎年6〜8月ですが、近年は冬にも小流行がみられることがあります。
 患者さんの約8割が5歳以下のお子さんといわれています。

【咽頭結膜熱とは】
 アデノウイルスが原因の感染症で、3〜5日の潜伏期間の後、発熱、咽頭炎(咽頭痛)、結膜炎(結膜充血、眼痛、涙が多量に出る)などが出現します。その他、リンパ節が腫れる、腹痛、下痢などが生じることがありますが症状は1週間程度でおさまります。まれに重症肺炎を合併することがあります。

【治療について】
 対症療法のみで、のどや目の痛みなどつらい症状を緩和する治療が中心です。食事をとりやすいよう、柔らかく、薄味の食事を工夫し、水分補給を心がけることが大切です。
 治った後も約1ヶ月は尿や便にウイルスが排泄される可能性があるため、手洗いを徹底し、集団生活ではタオルを共用することは避けましょう。

【感染経路と予防について】
 感染力が非常に強く、咳やくしゃみなどのしぶきに含まれるウイルスによる【飛まつ感染】、タオルや物を介して(タオルや物に触れた手を介して)ウイルスが口や眼などの粘膜に入って【接触感染】します。
 外から帰った後、食事の前、トイレの後などの手洗い・うがいを行うことが大切です。プールや温泉施設を利用する際は、前後に必ずシャワーを浴び、タオルは個別にし、手は石けん・流水で洗いましょう。